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金正日・破滅の日

金正日の消える日―平壌の暑い夏
2008年7月15日

陰陽五行道・玄学 水戸弘天

1 平壌は静かな占いブーム

近づく"平壌異変"の予兆 いま平壌は〈占い〉がが静かなブームであるという。といっても市内の街角に日本でよく見かける大道易者が軒を並べる光景があるわけではない。いずれも自宅で鑑定したり求めに応じて依頼者の居宅を訪ねたりして求占に対応しているから堂々と易者の看板が出ているのではない。平壌の情報筋によるとこうした占い師が市内には約1000人位が存在しているというから驚きだ。〈金正日思想〉一色の社会体制の国としては異様な現象といってよい。しかも平壌市内といえば将軍さまのお膝もと、いわゆる特権階級の人々たちだ。時として〈占い〉に頼っているのは何も一般市民ばかりとは限らない。トップたる金正日総書記の身辺にも何人かの〈将軍様御用達〉の占い師が存在しているといわれる。
それというのも'04年4月、将軍さまは突如"電撃訪中"を敢行したが、この御召し列車は大爆発事故に遭遇しそうになった。その事故を乗車時刻の変更により危うく難を逃れたが、それはお抱えの女占い師のアドバイスであったと伝えられている。将軍さまがこんな体験をしているだけに金王朝はことのほか〈占い〉に対する信奉には熱いものがある。もともと朝鮮民族はこうした分野を信じる民族的文化土壌があるしそれは極めてアジア的でありその点に関しては〈主体思想〉体制下となっても変化はなかったのだといえよう。だから一般市民も密かに〈占い師〉のもとに通うのだ。約10年ほど前には将軍さまの愛人たちの御用達であった占い師の男性はそれらの愛人たちの抱える悩み事に耳を貸しているうちにあまりにも多くの"宮廷トップシークレット"にも通ずるようになりやがてそれが恐ろしくなり〈知り過ぎた男〉として消される破目になるのではないかとついにソウルに亡命した事実もある。
いま平壌に静かに潜行して賑わっている状態は、近づいている〈平壌異変〉に対する社会不安を示しているものにほかならない。
ここへきて〈米朝接近〉は予想以上に急ピッチで進んでいく――"拉致"よりも予想以上に、「核撤廃」の内容に軸足はかかって金正日の〈核放棄〉とアメリカの〈体制保全の確約〉をめぐっての最後の詰めへといよいよ終盤を迎えた。
いま世界で最もその去就が注目されている人物、金正日はこれからどうなるのか。それには金正日の〈個人的運命〉の分析からその将来を予測してみるのも有効な手法なのである。

2 将軍様の運命暗転の年

そこで04年に刊行された水戸弘天著『金正日・破滅の日』(日新報道刊)をいまあらためて検証してみよう。本書の75ページには「危険期の第1年は'06年」として次のように記している。

'06年 丙戊 備官 衰
"危険ゾーン"に踏み込んだ第1歩の年となる。今まで表面化していなかった身辺の争い事が知られるようになったり、計画や思惑はずれの破綻があり、身辺の状況はこれまで以上に次策に暗転していく、これまでの無理が今までどおりには通らなくなってくるのだ。肉体的にも従来の持病は一層悪化していく恐れがある、常に身辺に無駄事が多く部下のために損失をこうむる傾向がある。身辺に移転、変動が多いために心身の疲労が甚だしく健康問題は無視できない状況に陥る。本年の後半から運命は一段と低調に向かっていくことになる。(注・確かにこの年ミサイル発射、核実験があった)
'07年 丁亥 正官 病
本年の健康問題は深刻なものとなり好転は難しい、何事にも守りが主体となる年であり、新しい計画や企みは全て凶変する動機となりがち。とかく思い違い、見込み違いが多くなってくる、時に持ち前の猜疑心はさらに旺盛となっていき、錯乱状態に近い精神状況に陥る。そのために側近からの信望は低下して孤立性はさらに一段と深まる。(注・認知病とウツ病が進行中との情報もある)
'08年 戊子 偏印 死
(周期律の)十二運にはイメージの悪い「死」の星がめぐっているように一大凶運の年となる。家督を破るか、突然降りかかる災難、困難に直面することになる。ここにいう〈家督を破る〉とは」文字どおり、相続、継承の断絶を意味するので「金王朝の継承は不可能となる」ことが明らかになるであろう。とにかく周囲の人々との生別、死別などが多くなり「離別運」が主体となる年である。諸事反転することのみ次々に起こる年。持病も好転せず、さらに悪化する兆。しかもこの年、肉体的には外的に傷害を受ける恐れもある。これは必ずしも不慮の不祥事を意味するばかりではなく、外科手術を受けることも含まれている。また一方では資産の損失あるいは身体的な災害の発生など、これまでの日常生活を大きく激変させるような不安な状況に陥るのだから、ただ事では済まない年となるにちがいない。いずれにせよ凶変事勃発の可能性の濃厚な年となる。

3 後戻りはしない米朝国交、核廃棄の道

次に金正日の近未来を易断にみてみよう。そこで得た卦は〈天火同人の上変〉変じて〈澤火革〉の卦となる。この卦は「同人野においてす、亨る、大川を渉るによろし」と説いておりでは「野において何をするか」といえば「同人」つまり「人と同じくせよ」というつまり〈君子の道〉をといている。今さらあのような人物に〈道を説いて〉も仕方ないのだが、易経がここで示すところは「野」という公明正大なこと、誰にも恥じることなく公明正大にいくべしと説いているのだ。「天地神明に恥じるようなことでなくてはならず公明正大なことを目標として他と力を併せて進むのであれば〈大川を渉る〉ような危険や困難を冒すも大事を為し遂げることが出来る」「同国の人々と志を同じう」して行なえば幸いを得るというのである。これを現実に合わせて推察するに、やっと始まった米朝国交、平和協定の実現は今や目前となったがこれは金正日にとって最後のチャンスとなる。易の「天火同人」の「澤火革」に変ずるから読み取るところそして今までの志しとするところに執着せず遠く離れたところで一歩退いて「淡々としている」というのでありしかも「澤火革」であるから何事か身辺に今までにない状況の変革ともに心の変化が現れるというのだ。米から体制保全の確約が取れるまで核の撤廃は小出しにして進むであろうが金正日の健康不安は下半期はさらに深まる兆がある。金正日の退陣―政権委譲はこれで確実になったといえるであろう。

本誌は始まった『金正日破滅の日』の当日までカウント・ダウンを続けていくのである。